続きのないチラシの裏 11
- 977 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 08:37:54 ID:???0
やる夫は隠し子だったようです
ファンタジーバージョン
.
- 978 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 08:38:58 ID:???0
;;⌒ 、
(;;; ,,;; ヽ、 _,,,...:-‐‐=-..,,,_
(_,,, ;;ノ,r'":: :: ::\,,....., ;;⌒ 、
,,r'":: :: :... ::: . ::; :::.`'::.、 (;;; ,,;; ヽ、
,:r'::: :: .::: :: :: :; ::: .:: `':.、 (_,,, ;;ノ
,r'":::.. ..:: ..:::. .... : :: :; :: ::. ::`'::、_
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:::..... -‐" "'' -‐‐‐-,..,,.
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WWWwwwjij,,.、,、,,,vWWwjjwvjiiijwwiijijyyywWwWWjjwv,,.、,、,,,jiiijwwiijijyyviiijwiijijywWw
',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',','',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',','',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',
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- 979 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 08:45:28 ID:???0
ミ||\
||:::: \
.____||:::::::::::\
|| ||:::::::::::::::|
|| ||:::::::::::::::|
|| ||:::::::::::::::|
|| / ̄ ̄||:::::::::::::::|
. /― ― ||:::::::::::::::|
/ (●) (●||:::::::::::::::| チーッス。
| (_人_) ||:::::::::::::::|
. \ ___||:::::::::::::::| 獲物を卸しに来ましたお。
||ゝ,.___)::::::::::::::|
|| \ i、._)::::::::::::::|
|| \||:::::::::::::::|
|| ||:::::::::::::::|
' ̄ ̄ ̄ ̄||:::::::::::/
||:::: /
||/
,、
/ \__/ \
. / \
/ ● ● | お、やる夫か。
| ヽ_/ |
. \ ∨ / 今日は何もって来たんだ?
. / \
問屋
- 980 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 08:48:35 ID:???0
∩_
〈〈〈 ヽ
____ 〈⊃ }
/⌒ ⌒\ | |
/( ●) (●)\ ! ! 竜の骨と牙だお。
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\| l
| |r┬-| | /
\ ` ー'´ //
/ __ /
(___) /
,へ /|
/ \ / !
/ \_,-――――' !
/ `;,
/ ',
,' !
! / ● ! へえ、見せてくれや。
! \__-‐ ̄/ |
| ● ヽ / !
! ヽ_/ /
';, /
\ /
- 982 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 08:50:41 ID:???0
___
/ \
/ ⌒ ⌒\
/ ,(⌒) (⌒)、\
| /// (__人__)/// |
\ ` ヽ_ノ / これだお。
ヽ , __ , イ
/ |_"____
| l.. /l´竜の骨 `l
ヽ 丶-.,/ |_________|
/`ー、_ノ / /
,、
/\__/ \__
/ `ヽ.
| ● ● i
| ヽ_/ .| どれどれ…
\ ∨ /
/ \
- 983 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 08:55:57 ID:???0
| _\ _ _/ _.|
| | >  ̄ ̄ ̄ < ||
| レ´ \ 」|
∨● ―‐ ∨
| ト―┐ u }
、 ヽ_ノ / 頭蓋骨、牙、肋骨、大腿骨…と。
>- ―'''‐- 、
∠_ | (毎度の事とはいえ…)
<⌒>'' ̄⌒7 /
 ̄ _ ―''⌒ /|
― ̄  ̄''''―‐一' |
竜の骨の市場価格をこの少年が知ったらどんな顔をするだろうか…
問屋の主は極力表情に出さずに嘆息する。
- 984 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 09:08:05 ID:???0
竜の骨や牙は最上級の武具の素材として重宝され、市場価値は極めて高価である。
牙の一つだけでも皇国金貨30枚で取引される。
| ̄\ | ̄\
| >――| ',
∨ ∨
{ ● ● }
', ┌―7 u/ こんなド田舎の問屋に流れてくるような品じゃないんだよな…
> ー' <
/ \
| r y }
| |、 / /
| | 。 / /
| O / /
皇国金貨1枚=皇国銀貨50枚=公儀認証銅貨1000枚=地方領発行銅貨1200枚(平均)
※金貨と銀貨の造幣は地方では認可されない。皇国が造幣権を独占。
公儀認証銅貨は皇国政府で品質管理された両替商で造幣される。
地方領発行銅貨は地方領主で独自に造幣された貨幣で他国での為替レートは流動的。
- 987 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 09:16:06 ID:???0
-
| _\ _ _/ _.|
| | >  ̄ ̄ ̄ < ||
| レ´ \ 」|
∨● ―‐ ∨
| ト―┐ u } (うちの金と品物全部渡しても牙1本にもなりゃしない…)
、 ヽ_ノ /
>- ―'''‐- 、 じゃあいつも通り、好きな物もっていきな。
∠_ |
<⌒>'' ̄⌒7 /
 ̄ _ ―''⌒ /|
― ̄  ̄''''―‐一' |
n
l^l.| | /)
| U レ'//)
___ ノ /
/ ⌒ ⌒\ rニ |
/ (⌒) (⌒)\ ヽ /
/ ///(__人__)///\ / ` /
| `Y⌒y'´ | /
\. ゙ー ′ ,/ / 毎度だお!太っ腹すぎワロタww
/⌒ヽ ー‐ ィ /
/ rー'ゝ /
/,ノヾ ,> イ
| ヽ〆 |
完全な買い叩きである。しかし、およそ成立する筈のない物々交換がまかり通っているのは理由がある。
- 989 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 09:24:12 ID:???0
地方領のムラに流通しているのは殆どが地方銅貨である。
少し都市に近い所でも公儀認証銅貨がせいぜいで、金貨や銀貨など、価値が高すぎてレートが成立しない。
銀貨で地方都市の民間大口取引で、やっと使用する程度なのだ。金貨など地方政府の国同士の取引で使用する貨幣で、
庶民が一生見ることも叶わないのが金貨の価値なのだ。
,、 , 、
l:. \ /.: i
|:.:. \ __ /.:.:. |
|:.:.:. ..::`´ `'.:.:.:. |
/:.:.:..:.:.:.::... ヽ
,':.:.::.:.:.:.::.:.::.. -― ',
l:.:.::.:.::.::.:.:.:.:.:.:... __l こんなド田舎に金貨や銀貨が流通してる訳ねーだろ……
{:.:.:.:.:.:.:.:.:..::.:.:..:.:.. し / }
ヽ、:.:.:.:.:.:.:.:::.:.::.:.:.::.:... 、___/ 俺だって好きでボってるんじゃないんだ。
ヽ、:..:.:.:.:..:.:.:..:::.:.:.::.:.:.. ,/
/:.:.:.:.:. .:.:<
- 992 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 09:35:25 ID:???0
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \
| |r┬-| | 米一俵と麦と野菜、それに木綿の反物くれお。
\ `ー'´ (⌒)
> ノ ~.レ-r┐、 あと銅貨五百枚だお。
/ ノ__ | .| | |
| 〈 ̄ `-Lλ_レレ
|  ̄`ー┬--‐‐´
地方銅貨1枚=およそ百円
米一俵(約60キロ)=銅貨300枚(皇都のレート)
| ̄\ | ̄\
| >――| ',
∨ ∨
{ ● ● }
', ┌―7 u/ あいよっ
> ー' <
/ \ (はは…物々交換でも成立してねーわ)
| r y }
| |、 / /
| | 。 / /
| O / /
- 995 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 09:42:18 ID:???0
r 、
| \
ー―-、 ____|_ ヽ_
´ `ヽ.
\/ :,
i' -― ‐- i
l し l (さて、この骨どうすんべ…いつも通り訳有り品として町の問屋に流すか。
ゝ、 rっ /
/⌒ ,.-ー-、___,ノ^) また買い叩かれるんだろうな。 ……銀貨50枚に銅貨3000枚って所か)
`⌒ィ 〈
゙ー--、 \
やる夫は村にはなくてはならない存在となっている。いわば公然のタブーだ。
故に持ち込んでくる品物の出所も大っぴらにできない。結果、買い叩かれる。
もちろん、それでもムラにとってはとてつもない収入なのだが。
- 996 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 09:51:39 ID:???0
- 次スレいきます
,、 , 、
l:. \ /.: i
|:.:. \ __ /.:.:. |
|:.:.:. ..::`´ `'.:.:.:. |
/:.:.:..:.:.:.::... ヽ
,':.:.::.:.:.:.::.:.::.. -― ',
l:.:.::.:.::.::.:.:.:.:.:.:... __l
{:.:.:.:.:.:.:.:.:..::.:.:..:.:.. し / } 村長の家に娘でもいれば婿養子に入ってもらって、
ヽ、:.:.:.:.:.:.:.:::.:.::.:.:.::.:... 、___/
ヽ、:..:.:.:.:..:.:.:..:::.:.:.::.:.:.. ,/ 丸く収まるんだけどな。そうすりゃ…
/:.:.:.:.:. .:.:<
ムラにとって、やる夫はある意味で爆弾である。法力使いでもないのに魔獣や亜人を物ともしない戦闘力。
ムラが襲撃されたときにやる夫が撃退してくれたのも一度ではない。こんな辺鄙な場所に貴族が常駐してる筈もなく、
代官ですら数箇所のムラを受け持っているので滅多に現地には来ない。精々、税の徴収時に数日逗留する程度だ。
- 3 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 10:04:58 ID:???0
- 娘のいる大農や中農はやる夫を婿養子に…と、虎視眈々と狙っている。
畑仕事では千人力。通常で農閑期に細々と行う新田新畑の開墾をわずか数日で開墾する隔絶した腕力。
狩でも通常、力自慢を何人も集めて自警団を組んで、やっと亜人1匹を罠や弓を駆使して撃退(追い払うだけ。倒すのはそれこそ貴族の仕事)
するのが常だが、やる夫は一人で亜人の群を殲滅してしまう。まさに福の神だ。狙わない訳がない。
|\ /|
| .>‐…‐< . |
|/ \|
/
| ⌒ ⌒ |
"" "" ./ やる夫、今日はうちで晩飯食ってけよ。娘も喜ぶ。ついでに泊まってけ。
\ ー=‐'' /
ゝ く (あわよくば娘とねんごろに…)
/ \
大農のAさん
|\ /ヽ
| \ / |
i \___/ |
ヽ,. |
/ _ヽ,, ノ_ | おいおい、今日はうちの畑を開墾してもらったんだ。
i |
ヽ ノ ̄| / 俺がご馳走するのが筋だろ。
> ´  ̄ ` <
(そうはさせん!)
中農のB氏
|\ /|
| \──< . |
レ __ノ , , ゞ_ |
/ p==、 r==、。 娘が…娘さえいれば…っ!
| ゚ _'_ | ゚
ヽ、 |!!il|!|!l| ノ
> |ェェェェ|<
村長
- 4 名前:名無しの落書きさん:2012/07/01(日) 10:06:41 ID:bOB5ecbw0
- 切実すぐるw
- 5 名前:名無しの落書きさん:2012/07/01(日) 10:10:27 ID:xE9oIvEw0
- 村長www
- 7 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 10:11:33 ID:???0
- ムラの娘たちにとっても同様である。
/|
|\ / |
| >ー――- |
/ ヽ
/ i
| `⌒ `⌒ |
l " _, " * l ゲットすれば一生安泰。
ヽ /
` r
/ ヽ
/ ヽ
「\ /゙|
| \ / |
| \ / |
| >――――<. |
| |
| |
V _ _ V
/ /0o8| | 8゚\ ',
| |o0o゚| |8゚o0| | 開墾でも狩でも何でも思いのままだしね。
〉 L0゚ノ Lo8゚ノ |
| ゙゙ 、___ ゙゙ |
', |7 | * /
\ \ _ノ ∠_
- 8 名前:名無しの落書きさん:2012/07/01(日) 10:14:57 ID:mEg2a0HM0
- やる夫が優良物件すぐるwwwww
- 9 名前:名無しの落書きさん:2012/07/01(日) 10:18:07 ID:M0HApd9g0
- やる夫自身の人柄もよくて好青年だし、手を出さない理由が無いwww
- 10 名前:名無しの落書きさん:2012/07/01(日) 10:18:48 ID:kf3EOq2o0
- 何という肉食系(でも切実w)
- 11 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 10:20:42 ID:???0
しかし、ムラの若い男は嫉妬の入り混じった複雑な感情があるのも事実である。
┌ 、 ,. ┐
| :,\____/,: |
| / \ |
V V
| 三三 U | うちの開墾も嫌な顔せずに手伝ってくれる。
| 三三三三 U |
ヽ. ,ー―、 / お裾分けの獲物の肉は貴重なご馳走だ。でもな…
>`ー─' <
f^ヽ /',
|:.:.:. ヽ / !
|:.:.:.:.:.:.ゝ-─-< |
/:.:.:.:.:.:.:.:.. u ',
,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ,
,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.: ‐- , 規格外すぎて俺らじゃ束になっても喧嘩じゃ勝てない。
!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.: l
';.:.:.:.:u.:.:.:.:.:.:.:.: -― /-──- 、 …あいつ、ガキの頃は手加減してくれてたんだよな。
ヽ、:.:.:.:.:.:.:.:.::.: / ヽ
/:.:゙"''':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:... / ノ 余計惨めじゃね?
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.. | /
- 12 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 10:22:31 ID:???0
┌ 、 ,. ┐
| :,\____/,: |
| / \ |
V V
| 三三 U |
| 三三三三 U | ……
ヽ. ,ー―、 /
>`ー─' <
f^ヽ /',
|:.:.:. ヽ / !
|:.:.:.:.:.:.ゝ-─-< |
/:.:.:.:.:.:.:.:.. u ',
,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ,
,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.: ‐- , ……
!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.: l
';.:.:.:.:u.:.:.:.:.:.:.:.: -― /-──- 、
ヽ、:.:.:.:.:.:.:.:.::.: / ヽ
/:.:゙"''':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:... / ノ
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.. | /
- 13 名前:名無しの落書きさん:2012/07/01(日) 10:22:31 ID:i/sMqkjI0
- 良い奴だから憎むに憎めないか・・・困る相手だな。
- 14 名前:名無しの落書きさん:2012/07/01(日) 10:24:19 ID:dfgvidvw0
- 文字通り束になっても敵わないわけだな
- 15 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 10:24:50 ID:???0
┌ 、 ,. ┐
| :,\____/,: |
| / \ |
V V
| 三三 U |
| 三三三三 U | 町で一旗上げるのがやる夫の為じゃないのか?
ヽ. ,ー―、 /
>`ー─' <
f^ヽ /',
|:.:.:. ヽ / !
|:.:.:.:.:.:.ゝ-─-< |
/:.:.:.:.:.:.:.:.. u ',
,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ,
,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.: ‐- , だよな。
!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.: l
';.:.:.:.:u.:.:.:.:.:.:.:.: -― /-──- 、
ヽ、:.:.:.:.:.:.:.:.::.: / ヽ
/:.:゙"''':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:... / ノ
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.. | /
邪魔とは絶対に言わない。しかし、このジレンマはやる夫がいる限り解消されない。
実に複雑な心境なのも事実だった。
- 17 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 10:29:23 ID:???0
そんなムラに年に一度、年貢の季節…収穫の時が来た。
――そして、やる夫の転機も同時に訪れた。
o ,.'⌒ヽ、
_ノ⌒´ )
(_ 〈
.`ヽ、__ !
,.-''"i"⌒) 彡 `"'ー'"
ザッ / ヽ、_イ
< ,. -、 / o .
__ ,へ/ /.
:: /- - \ // `"'ー-' ザッ o
/ (● ●)\ //
( (_人_) )//7'ヽ. ,. -‐- 、. .
くヽr'::ヽ‐-‐'´:/⌒ヽ'"´ / /
⌒ヽ, \\::::::::::::〈 〈___,/ / ⌒`"'ー'
⌒`"'ー'⌒く:\\:::::::::::'r-'" 彡 i ⌒ ⌒ ,.'⌒ ヽ、
⊂[[二二\\二> 、 ,' ,. .'⌒ ⌒
ヽ ⌒//:::::`T\\\ ヽ / ______. ,.'⌒ ヽ、 ___/ ̄`⌒ヽ
rく::::::::::::::::::::::::::\\〉、 i ,'" ヽ ⌒ `" ⌒``"⌒" ___
_
/ | _
/ /| / |
/ ┴-< / |
/ |
/ / __ \〈
| ゙゙゙ | /´ |⌒) やる夫、もうすぐお代官様が来る。
\ L/ //
`7 / 蔵から米俵出すの手伝ってくれや。
/ |
〈__ノ |
- 19 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 10:32:09 ID:???0
/ \
く/ ) \
/ /:::::::::::\
/ ̄ ̄ ̄\/ \__;::-、ノ\
/ ─ ─ \ \ /
/ (●) (●) \ ヽ/
| u (__人__) | あー、もうそんな時期かお。
\ ` ⌒´ ノ⌒⌒ヾ フキ
./ / ` ー─γ )) フキ 今行くお。
/´ ̄ヾ ヽ ((
ァ、ヽ`ン ) ヽ
' /-'´ (
,,,,, ,,
,,, ;iillil゙ llil
,ill!' ,illl!´ llll!
,;ill!゙ ,illl!゙lli lllll!
,il!illlli ;iil!゙ llli llll!
,il!' llll lll llll!
i!' llll ;;llllllllllllllllll;; ll! ll!
llll lllli ,,
lll! ;;llllllllllllllllllll;; ill!
゙
ο
_ ,−、
/ `i .ノ
_人_.ノ/ ./ヽ. /ヽ.
/ ll. /. ヽ__,./ _ ヽ、 . −、
/ |!、 ノ , ´ `゛ ヽ ( ) おう。それが終わったら祭りだ。
/ ./ ヽ./ " 、_,..| * ', ノ` ー ';
. / /i { * ヽ lヽ、__. j´ j やる夫、お前も今年から酒飲んでもいいぞ。
!. / l. '、 ヽj`ー、_ `ー、 /
ヽ、 / ! ヽ `ー-' Ο
` ー´ '、
- 20 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 10:34:08 ID:???0
____
/⌒ ⌒\
。o(゜>) (<゜)o 。
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \
| |r┬-| | て 楽しみだお!
\ `ー'´ /( `´) そ
/ \ノ ノミ 大人の仲間入りだお!
|\ \・ ・ \____ノ
i´`:、
l ヽ、 _.....__,,-――ー'''''/
il  ̄ ` /
|: 、 ,/
/ ,:'´ ヽ li ,r--、
/^ヽ、i * lー--――--l * :l/ l
i' `:! ヽ:::___....ノ ノ il 楽しみにしとけよな。
li `ー-- ..... _ _ ......-ー''''´ ,/
il. ,,-'
`ヽ、 i-'"
` -l li
- 21 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 10:42:26 ID:???0
+
|\ /|
+ | \──< . |
レ .,,_ _,,. |
/ <;:ッソ`' '"l;:ッソ>
| | これはお代官様。
ヽ、 マフ ノ
+ > < + 遠い所、お疲れ様です。村の衆一同、歓迎いたします!
____
/- 、 ! ,. -\
/ヘ二_爪_二ヘ\
/ ヾニ・ニハ ハニ・ニフ \
| / | | \ |
\ ィニニニュ /
,--ゝヘヽ、___ ーーノ゙-、. うむ。
/ | '; ゝ_____ ノ. |ヽ i
l |. ヽ/゙(__)\/| i. | 年貢は先ほど確認した。不足、過多なく、沙汰通りの出納大儀であった!
| | ヽ. ハ..ノ | | |
来年も励め。
代官
- 22 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 10:45:07 ID:???0
____
/ \
/ - 、 ! ,.. - \
/ ヘ二_爪_二ヘ \
| ヾニ・ニハ ハニ・ニフ. |
\ / | | \ / 所で村長、ここにやる夫なる者はおるな。
,--ゝヘ ィニニニューノ゙-、.
/ | '; ゝ_____ ノ. |ヽ i この場に参上させよ。
l |. ヽ/゙(__)\/| i. |
| | ヽ. ハ..ノ | | |
|\ /|
| u\──< . |
レ ノ u ゝ_|
/ -=・=- -=・=-
|u | は? や、やる夫でございますか?
ヽ、u [+++] uノ
> <
- 25 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 10:50:16 ID:???0
____
/- 、 ! ,. -`ヽ
/`二_爪_二ヘ `
/`ニ・ニハ ハニ・ニフ .∨
| / | | \ | うむ。苦しゅうない。
ゝ .ィニニニュ ノ
. __\ /リ 厂`'‐- .._ 呼んで参れ。
/ : : :介ーz<__」// |: : : : : : :ヽ
| : : : : ::〈 「`乂/ / 丿: : : : : : : |
| : : : : : /: | {::::} / `7: : : : : : : :│
. | : : : 〈: :│ {::::l /. :/. : : : : : : : : |
|\ /|
; | u\──< . |
レ ノ u ゝ_|;
;/ -=・=- -=・=- あ、あの…うちのやる夫が何か粗相でも…
|u |;
;ヽ、u マフ uノ もしアレでしたら私から叱って置きますので……
> <
(やべぇ…ついに目をつけられたか…)
____
/- 、 ! ,. -\
/ヘ二_爪_二ヘ\
/ ヾニ・ニハ ハニ・ニフ \
| / | | \ |
\ ィニニニュ / たわけ。
_>、-―, _ 、 ― <_
,::'ー'/:fシ:ヽ‐'7:ィ‐/:キ::l:_‐`、 粗相があった訳ではない。
,':::::l::::−/::ヽl::::l/:::ヽ┘:l::::l
,l:::::::|:::=t,`:::、、'::/::::/三l:l::::l さるお方にお目通りが叶ったのだ。名誉な事ぞ。
ヽ::::!::::::゚::::::::::`::'/l三王l:l:ノ
`!:::::::::::::::::::::|o::::+O::::!
- 27 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 10:55:46 ID:???0
|\ /|
| u\──< . |
レ ノ u ゝ_|
/ ● ● ', は? お目通りですか?
|u |
ヽ、u uノ
> <
____
/ - 、 ! ,. \
/ ヘ二_爪_二\
/ ヾニニ・ハ ハニニ・フ\
| / | | \ |
\ ィニニニュ / うむ。
,ヘ´イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、.
/ | '; \_____ ノ.| ヽ i ――玄蕃頭様、これに控えし者が村長でございます。
l | \/゙(__)\,| i |
| | > ヽ. ハ | ||
/ ̄\
| |
\_/
|
/  ̄  ̄ \
/ ::\:::/:: \
/ .<●>::::::<●> \
| (__人__) |
\ ` ⌒´ / オプーナ・コーエーである。
/,,― -ー 、 , -‐ 、
( , -‐ '" ) 苦しゅうない。
`;ー" ` ー-ー -ー'
l l
- 28 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 11:00:36 ID:???0
|\ /|
| \──< . |
レ ノ , , ゝ_ |
/ ( 0) :::::::( 0) ',
| u ilil __ | あの…こちらのお方は一体……
ヽ、u ノ__l ノ
> <
____
/- 、 ! ,. -\
/ヘ二_爪_二ヘ\
/ ヾニ・ニハ ハニ・ニフ \
| / | | \ | /)/)/) 控えよ!
\ ィニニニュ / 「////
,--ゝヘヽ、___ ーーノ゙⌒ ̄ ̄' ̄ヽ (___ 恐れ多くも帝より従五位下・玄蕃頭を賜ったコーエー家当主にして
/ /|'; ゝ_____ ノ. |ヽ i___、_/_,ノ--ー'
l |. |. ヽ/゙(__)\/| i. | 当地の御領主・陸奥守様の御舎弟であらせられるぞ! 控えい!
| |. | ヽ. ハ..ノ | | |
|\ /|
| \──< . |
レ ,--、 ,--、|
/ ( ●) ( ● )
| ` '_'_` ' |
ヽ、 |!!il|!|!l| ノ
> |ェェェェ|<
- 29 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 11:02:53 ID:???0
,,---――、、,,
/,,|\ `/|
/,/| \──< . |
;/'" レ u u |ヽ
/ / u _,' -=・=-ヽ_\ へ、へへーっ!
__( ー-ィ⌒ヽ、 /⌒`ー' )
━━━`ー─ゝソノー‐ヾy_ノ─"
./ ̄::\
| : : : ::|
\_:;;;;/
|
/  ̄ ̄ ̄\
/; . . : : : :\
/ ∪ . . : : : : : : \
| . : : : : : : : :| 苦しゅうないと申しておる。
\_ . : :〃 : : : :,/
/⌒` . . : : : : : : :`ヽ. 面を上げよ。
/ . . . . : : : :..: : : : : ,: :\
(めんどくせー…)
- 30 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 11:08:02 ID:???0
|. `| | l l. |
/ ̄\ 「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | ,' / ノ ̄ ̄|
| |. | ヽ_j / // |
\_/ | 目通権利書ヽ_ハ/′ │
| | |
/  ̄  ̄ \ | オ プ ー ナ |
/ \ / \.. | ・・・ ・・・ ・・・ |
/ ⌒ ⌒ \ | ・ ・ ・・ ・・・ |
| (__人__) |/| |
\ ` ⌒´ /l|.| :::::::::::::::::::::::: | 村長、やる夫なる者に目通りを許す。
ヽ、--ー、__,-‐´イ l リ :::::::::::::::::::::::: |
>'´/ / _,.ノ|/ l.| :::::::::::::::::::::::: .| 苦しゅうない。この場へ連れて参れ。
,r7′_,.レァ‐‐'′、 l i l| __ |
/,厶イ_:.:/ ヽヽ. :l .| 〃. `ヾ |
/7 /:.:「 ゝL/| ::::..... |l 光 ||.. |
/〈 /:.:.:.:', / // | :::: |l 栄 l|.. |
∧',. ヘ /:.:.:.:.:.:', / 〃 | ヾー-‐シ |
/ ヽヽ V:.:.:.:.:.:;.イヘ トr'′ .!  ̄´ |
l `ヽ >、フ:.:.:.:/:.:./ l └─────────────┘
|\ /|
| \──< . |
レ |
/ ◎ ◎ ',
__ _ | ____ |
__ ̄ ̄ ̄ ヽ、 ノ;;;;;l ノ,,-、
 ̄ ̄ ̄ > j k )
 ̄ ̄  ̄ γ / は、はい!
/ /"
__ _ (__ノ /⌒ヽ l すぐに連れて参ります!
ゝ/ l /
 ̄ ̄  ̄ ゝ_ノ/ (官位持ち+一家の当主+領主様の弟とか…どんな雲上人だよっ!?)
(_ノ
- 31 名前:名無しの落書きさん:2012/07/01(日) 11:09:25 ID:bOB5ecbw0
- さすがオプさん、やる夫スレ界で最も権利書が似合うw
- 32 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 11:15:08 ID:???0
――邂逅
|\ /|
; | u\──< . |
レ ノ u ゝ_|;
;/ -=・=- -=・=- いいか、やる夫。
|u |;
;ヽ、u マフ uノ 何か聞かれたら「はい」「左様でございます「仰るとおりでございます」
> <
この三つで返事するんだ。 それ以外は何も言うな。
___
/ \
/ノ \ u. \
/ (●) (●) \
| (__人__) u. | わ、わかったお。
\ u.` ⌒´ /
ノ \ …やる夫に何の用ですかお?
/´ ヽ
|\ /|
| \──< . |
レ l `.、 , .フ
/ = ` " = ',
|u | 余計な疑問は挟むな!
ヽ、 [++++] ノ
> <l!| ! 無だ! 心を無にしろ!
/ ヽ !l ヽi
( 丶- 、 しE |そ 粗相があったら洒落抜きでお前の首が落ちる所か、村が消滅する!
`ー、_ノ 煤@l、E ノ <
レY^V^ヽl いいか! 三つの返事を忘れるな! 絶対だぞ!
- 34 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 11:21:09 ID:???0
:::::::::::::/ ̄ ̄∨ ̄ ̄\ ::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::| / ̄ ̄ ̄\ |:::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::__|/ _ノ ヽ、_ \|__:::::::::::::::: やる夫でございますお。
::::::::::::::/ / ((>)) ((<)) \ \::::::::::::::::
:::::::::::::::::| | o゚ (__人__) ゚o| |::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::(⊥_⊥)\___`⌒´__/(⊥_⊥):::::::::::::::::
/ ̄\
| |
\_/
|
/ ̄ ̄ ̄ \
/ ::\:::/::::\
/ <●>::::::<●> \ …うむ。
| (__人__) |
\ ` ⌒´ / ――村長、大儀であった。下がれ。
 ̄(⌒`:::: ⌒ヽ
ヽ:::: ~~⌒γ⌒)
ヽー―'^ー-'
,,---――、、,,
/,,|\ `/|
/,/| \──< . |
;/'" レ u u |ヽ
/ / u _,' -=・=-ヽ_\
__( ー-ィ⌒ヽ、 /⌒`ー' ) へへー
━━━`ー─ゝソノー‐ヾy_ノ─"
- 35 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 11:22:31 ID:???0
/ ̄\
| |
\_/
|
/ ̄ ̄ ̄ \
/ ::\:::/::::\
/ <●>::::::<●> \
| (__人__) | ……
\ ` ⌒´ /
 ̄(⌒`:::: ⌒ヽ
ヽ:::: ~~⌒γ⌒)
ヽー―'^ー-'
〉 │
:::::::::::::/ ̄ ̄∨ ̄ ̄\ ::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::| / ̄ ̄ ̄\ |:::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::__|/ _ノ ヽ、_ \|__:::::::::::::::: ……
::::::::::::::/ / ((>)) ((<)) \ \::::::::::::::::
:::::::::::::::::| | o゚ (__人__) ゚o| |::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::(⊥_⊥)\___`⌒´__/(⊥_⊥):::::::::::::::::
- 36 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 11:23:57 ID:???0
./ ̄::\
| : : : ::|
\_:;;;;/
|
/  ̄ ̄ ̄\
/; . . : : : :\
/ ∪ . . : : : : : : \ …あー肩が凝った。
| . : : : : : : : :|
\_ . : :〃 : : : :,/ やる夫だっけ? お前も楽にしていいぞ。
/⌒` . . : : : : : : :`ヽ.
/ . . . . : : : :..: : : : : ,: :\
:::::::::::::/ ̄ ̄∨ ̄ ̄\ ::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::| / ̄ ̄ ̄\ |:::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::__|/ _ノ ヽ、_ \|__:::::::::::::::: ……へ?
::::::::::::::/ / ((>)) ((○)) \ \::::::::::::::::
:::::::::::::::::| | o゚ (__人__) ゚o| |::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::(⊥_⊥)\___`⌒´__/(⊥_⊥):::::::::::::::::
- 38 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 11:27:19 ID:???0
/ ̄\
|\105 |
\_/
_|___
/ \
/ u ノ \
/ u <●>:::: \
| (__人__)| いや、本当に楽にしてくれ。
\ u .` ⌒/
ノ \ 済まなかったな。怖かったろ?
____
/ \
/ - 、 ! ,.. - \
/ ヘ二_爪_二ヘ \
| ヾニ・ニハ ハニ・ニフ. |
\ / | | \ / やる夫とやら。
,--ゝヘ ィニニニューノ゙-、.
/ | '; ゝ_____ ノ. |ヽ i 玄蕃頭様の仰せである。
l |. ヽ/゙(__)\/| i. |
| | ヽ. ハ..ノ | | | 許す。楽にせよ。
/  ̄ ̄ \
/ノ ヽ__ \
/(―) (― ) \
|. (_人_) u | …?
\ `⌒ ´ ,/
/ ヽ ではお言葉に甘えまして。
./ l ,/ / i
(_) (__ ノ l
/ / ___ ,ノ
!、___!、_____つ
- 40 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 11:32:29 ID:???0
/ ̄\
| |
\_/
_|_
. /´ ̄  ̄`\
./ 、 , ヽ
/ ::::\:::::::::/::::: ヽ
./ < ⌒ > :::::::: < ⌒ > .l
.| | じゃあ改めて自己紹介だ。
..ヽ (_人__) /
ヽ、 ` ー ' / オプーナ・コーエーだ。
/:::i:\゙_>介 √:::/::::::::\
. /:::::::::ヽ:::ヽ };;{/::/:::::::::::::::::::ヽ ここの領主の弟でな、姓が違うのは養子に入ったからでな。
/:::::::::::::::::ヽ::ヾ/〃::::::::::::::::::i:::::::i
____
/ u \
/ / \\
/ し (○) (○) \
| ∪ (__人__) J | はい…領主様の弟様で……
\ u `⌒´ /
- 41 名前:名無しの落書きさん:2012/07/01(日) 11:34:01 ID:HTfmcewc0
- ボンボンに\105がついたのは気を抜いたからなのか?
- 42 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 11:36:06 ID:???0
/ ̄\
| |
\_/
_|_
. /´ ̄  ̄`\
./ 、 , ヽ
/ ::::\:::::::::/::::: ヽ
./ < ● > :::::::: < ● > .l お前の事は聞いている。
.| |
..ヽ (_人__) / 何でも村一番の力持ちで、大腕坊も蹴散らすとか…
ヽ、 ` ー ' /
/:::i:\゙_>介 √:::/::::::::\ 一応確認するが、相違ない…いや、間違いないか?
. /:::::::::ヽ:::ヽ };;{/::/:::::::::::::::::::ヽ
/:::::::::::::::::ヽ::ヾ/〃::::::::::::::::::i:::::::i
___
/ \
/ ヽ / 丶
/ (●) (●) ヽ
l::::⌒(__人__)⌒:::u:l は、はいですお。
\ |r┬-| /
/ `ー'´ ヽ 時々ムラの近くまで来るからその度に張り倒してますお。
し、 ト、ノ
- 43 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 11:40:30 ID:???0
/ ̄\
| |
\_/
_|_
. /´ ̄  ̄`\
./ 、 , ヽ
/ ::::\:::::::::/::::: ヽ
./ < ● > :::::::: < ● > .l
.| | そうか。
..ヽ (_人__) /
ヽ、 ` ⌒ ´ / …他にはどんな亜人や魔獣を相手にしたか、聞かせてくれないか?
/:::i:\゙_>介 √:::/::::::::\
. /:::::::::ヽ:::ヽ };;{/::/:::::::::::::::::::ヽ
/:::::::::::::::::ヽ::ヾ/〃::::::::::::::::::i:::::::i
____
/ヽ /\
/(●) (●)丶
/::⌒(__人__)⌒:::uヽ
l |r┬-| l はいですお。
\ `ー'´ /
/ ヽ えっと――
し、 ト、ノ
やる夫は聞かれるままに正直に話した。竜やオロチ、鬼等を蹴散らし、
通常の野犬や獣を退治した事、普段は畑仕事や開墾の手伝いをしてる事を包み隠さず。
- 44 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 11:45:32 ID:???0
――そして
/ ̄\
| |
\_/
_|_
. /´ ̄  ̄`\
./ 、 , ヽ
/ ::::\:::::::::/::::: ヽ
./ < ● > :::::::: < ● > .l やる夫、そこにある大岩を動かせるか?
.| |
..ヽ (_人__) /
ヽ、 ` ー ' /
/:::i:\゙_>介 √:::/::::::::\
. /:::::::::ヽ:::ヽ };;{/::/:::::::::::::::::::ヽ
/:::::::::::::::::ヽ::ヾ/〃::::::::::::::::::i:::::::i
___
/ ̄ ̄ ̄ ̄ヾ
___ /´\::; /\
:./ ̄\ __ ∧ >―-へ〈 .:::',
〈 | / ̄ \ /::.; :.;"`7 \:.:/:
:.:.>―:}______∧ .:;:.:∧ / \|____
V_r<、: : : : : : : ::.|:.;.ヽ: : : : : : : .::>、 -<: : : : : : : ___」_./>: : : : : :: : :
:.:―< ̄\: : : : : : : : `: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :: : : : : : :
:.=:.:.ヾ:>―:〉: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :: : : : : : : : : : : ::
そこの大岩
___
/ \
/ノ \ u. \
/ (●) (●) \
| (__人__) u. | へ?
\ u.` ⌒´ /
ノ \ あれですかお? 動かせますけど……
/´ ヽ
- 45 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 11:48:02 ID:???0
/ ̄\
| |
\_/
_|_
. /´ ̄  ̄`\
./ 、 , ヽ
/ ::::\:::::::::/::::: ヽ
./ < ⌒ > :::::::: < ⌒ > .l どれ、一つ余興代わりに見せてもらえんか?
.| |
..ヽ (_人__) /
ヽ、 ` ー ' /
/:::i:\゙_>介 √:::/::::::::\
. /:::::::::ヽ:::ヽ };;{/::/:::::::::::::::::::ヽ
/:::::::::::::::::ヽ::ヾ/〃::::::::::::::::::i:::::::i
_____
/ノ \. \
/(●) (●) \
(⌒(⌒(⌒ヽ / ∪(__人__) \
\ ヽ ヽ (⌒) | `⌒ (⌒(⌒(⌒ヽ| それくらいならお安い御用ですお。
ヽ::::::::::: |. \ ヽ ヽ ヽ |
ヽ ( ヽ / (⌒)::::::::::: | よいしょっと――あっ
\ V ! |
ヽ ノ
やる夫は開墾で岩をどかすつもりで岩を持ち上げた――つもりだった。
- 47 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 11:49:51 ID:???0
.__
|┌i } . ┌‐┐ _
l | j } ,ィ==┐| l^i 7「rァ 7
.l { .{〈 〉j j.}.| |..| j.}l ,l /
.}.l .l .l | i 〈 {.|「 .|/ j .j 〉
./.j リ { j l 〉lj | / //
j / |{ } { } }.|| l r=´
.j { l } .{ { l .||L.ノ }
.} l | { .{ j .〉.〉 ̄´
{ L,,ノ「 〈 { .| |_ ,ヘ、
└=┘ .ノ j_,,,{ ..} .{ ,、.}
.└┐ィ‐=ミj l .{ }
く L_ .j .L,
`‐-ミヽ `ヽ弋、
__ .{ .} ト、 } }
.ノ rミヽ┘j i ト=┘
} レ-`-´ └-`=┐
`^ー┐} ,、  ̄} .}
l .} j トミ二_」
.l | i }
} }_] }__
.`コ_ .冂 |___
,、__ / { ̄ _ ̄} }
/ ,、.\_ `‐ァ`l { }_ノ .{__
.{ { `^'ヽ=ニ〉 レ'ノ┐ ノ} .}__
`ミ二ニヘ `ヽ` ̄´/ l .,ヘ\
`==ミ、`ヽ .j j/ / /
`7/ ./.」 /.| { ノ
// ./.└´ .'ー´」
j .} ././´^´ ̄ ̄
r'´ ̄`ー=ミ、__ノ./ /./
ヽ } ̄`"''==、__ノ j レ´ヽ、_
レ二ニv=ミ、____/ /7∧ \
`ー-=、_ 〈////ヘ、
ヽク ._,=ヘ 〉
<´<´_,,ィ´ ノ
\_r'' ̄´
- 50 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 11:53:33 ID:???0
l! {o :}
l! ': /
l!1!|!l 1! ヽ、___,.,/
l!1!|!l !1!| ┃
l!1!|!l |l!1!|!l|!l!┃
l!1!|!l |l!1! > 一 … ー <
l!1!|!l >´ :::::::: ` <
l!1!|!l. / ::::::::::::::::: \
l!1!|!l / \、 :::::::::::::::::::U::::::: ,;'/ \
l!1!|!l. / ヾミ,、 ::::::::::::::::::::::::::./;"==、、. ヽ.
l!1!|!l / ,,===、、ミ彡〉::::iヾ彡〃 ,-‐ 、ヾヽ
l!1!|!l 〃 ,-‐ 、ヾ ::::::::::::::::::: { ・ } }l} ', なっ――!?
l!1!|!l ,' {{ { ・ } :::::::::::::u ゝ - '
l!1!|!l ゞ ゝ - ' ::::::::::: ヽミ二≠"" l|l|l ',.
l!1!|!l. ,' . l|l =≠彡"´. \. l|l
l!1!|!l | . l|l. / \ l
l!1!|!l | l l|l| ./ } }.
l!1!|!l |... { J { i ノ し /
l!1!|!l |!. ヽ ゝ、__ノ ̄´` ̄ ̄〉'´ /
l!1!|!l |! .ゝ } / /
l!1!|!l |!, > 、 し ゝ-──-' ., < ,>
l!1!|!l |!i i. 〉 |!l! ." ̄ ゙̄ / 〈/゙} /.:::
l!1!|!l |!l l . // |!l! ./ /:::::〈_/::::::
l!1!|!l |!l /::::/ \ / /:::::::::::〃:::
緊張して力の加減を間違ったのか、やる夫は抱え込んだ大岩を腕の中で粉々にしてしまった。
- 52 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 12:02:16 ID:???0
メ ,, -──- 、._\
メ/ u ゚ 。 \\
/ / ノ ヽ、 \\
! | o゚((●)) ((●))゚o | ご、ごめんなさいですお!
\\ (__人__) /く<
ノ メ/ ` ⌒´ ヽヽヾ 加減を間違ってしまったお!
l! {o :}
l! ': /
l!1!|!l 1! ヽ、___,.,/
l!1!|!l !1!| ┃
l!1!|!l |l!1!|!l|!l!┃
l!1!|!l |l!1! > 一 … ー <
l!1!|!l >´ :::::::: ` <
l!1!|!l. / ::::::::::::::::: \
l!1!|!l / \、 :::::::::::::::::::U::::::: ,;'/ \
l!1!|!l. / ヾミ,、 ::::::::::::::::::::::::::./;"==、、. ヽ.
l!1!|!l / ,,===、、ミ彡〉::::iヾ彡〃 ,-‐ 、ヾヽ
l!1!|!l 〃 ,-‐ 、ヾ ::::::::::::::::::: { ・ } }l} ',
l!1!|!l ,' {{ { ・ } :::::::::::::u ゝ - '
l!1!|!l ゞ ゝ - ' ::::::::::: ヽミ二≠"" l|l|l ',. (こ、これが会法の儀を済ませてない十四歳の力…だと…?)
l!1!|!l. ,' . l|l =≠彡"´. \. l|l
l!1!|!l | . l|l. / \ l
l!1!|!l | l l|l| ./ } }.
l!1!|!l |... { J { i ノ し /
l!1!|!l |!. ヽ ゝ、__ノ ̄´` ̄ ̄〉'´ /
l!1!|!l |! .ゝ } / /
l!1!|!l |!, > 、 し ゝ-──-' ., < ,>
l!1!|!l |!i i. 〉 |!l! ." ̄ ゙̄ / 〈/゙} /.:::
l!1!|!l |!l l . // |!l! ./ /:::::〈_/::::::
l!1!|!l |!l /::::/ \ / /:::::::::::〃:::
オプーナは戦慄を覚えると共に感動すら覚えていた。開眼法印――天地の理を操り、森羅万象を司る…
その伝承に偽りはなかった。それが目の前の自分の甥に宿っている。オプーナは全身の震えを歓喜と確信していた。
- 53 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 12:05:25 ID:???0
l l
ヽ、 , '
丶、_ _,,/
||
_,,l:l___
,. -'"´ `¨ー 、
/ ,,.-'" ヽ ヽ、
,,.-'"_ r‐'" ,,.-'"` ヽ、
/ ヾ ( _,,.-='==-、ヽ ヽ、
i へ___ ヽゝ=-'"/(じ::::::)_,,> ヽ
./ /代ハ> ='''"  ̄ ̄ ̄ ヽ
/ .<_弋リ''" ヽ i
/ i 人_ ノ .l は、ははははっ!
,' ' ,_,,ノエエエェェ了 /
i じエ='='='" ', / 素晴らしい! 素晴らしいぞ!
', (___,,..---- '' /
ヽ、 __,,.. --------------i-'" 兄貴、あんたは誇っていい……誇っていいんだ!
ヽ、_ __ -_'"--''"ニニニニニニニニヽ
`¨i三彡--''"´ ヽ
/ ヽ
___
/ \
/ノ \ u. \
/ (●) (●) \
| (__人__) u. | ???
\ u.` ⌒´ /
ノ \
/´ ヽ
- 55 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 12:11:59 ID:???0
一しきり歓喜を全身で表したオプーナは核心を持ち出した。
/ ̄\
| |
\_/
|
/  ̄  ̄ \
/ ::\:::/:: \
/ .<●>::::::<●> \
| (__人__) | やる夫、お前の力は紛れもなく法力使いの証。
\ ` ⌒´ /
/,,― -ー 、 , -‐ 、 貴族の証だ。
( , -‐ '" )
`;ー" ` ー-ー -ー'
l l
_ -−― - 、
_,__'´ \ `ヽ、
(´ ,) (´ ̄ `) ヽ
/ ̄  ̄ ̄ i
,' l、_人 ノ l ……はい?
i l .l  ̄ , u l
ヽ l l / /
`.l、_ノ__ /
`l `、
- 56 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 12:18:37 ID:???0
/ ̄\
| |
\_/
_|___
/ \
/ ::\:::::::/::\
/ <●>::::::<●> \ お前は我が兄、陸奥守・ドヤガ夫・ビップの落胤にして
| (__人__) |
\ ` ⌒ ´ ,/ 私の甥、やる夫・ビップなのだ!
. /⌒〜" ̄, ̄ ̄〆⌒,ニつ
| ,___゙___、rヾイソ⊃
| `l ̄
. | |
――無責任一代男
___
/ ヽ '' ノ\
/ ( ○ ) (◯ )\
/;:::::⌒, ゝ⌒:::::\ 死にかけ……だろっ?
| ; ト==ィ' |
\ `ー' /
陸奥守 ドヤガ夫・ビップ
____
/⌒ ⌒\ ━━┓┃┃
/(  ̄) (_)\ ┃ ━━━━━━━━
/::::::⌒(__人__)⌒:::: \ ┃ ┃┃┃
| ゝ'゚ ≦ 三 ゚。 ゚ ┛
\ 。≧ 三 ==-
-ァ, ≧=- 。
イレ,、 >三 。゚ ・ ゚
≦`Vヾ ヾ ≧
。゚ /。・イハ 、、 `ミ 。 ゚ 。 ・
- 57 名前:名無しの落書きさん:2012/07/01(日) 12:19:34 ID:i/sMqkjI0
- またお前かw
- 58 名前:名無しの落書きさん:2012/07/01(日) 12:19:45 ID:8v74E/2E0
- まーたドヤガオかよwwww
- 59 名前:名無しの落書きさん:2012/07/01(日) 12:20:18 ID:DCODj.CU0
- ここでもドヤガ夫こんな役かw
- 60 名前:名無しの落書きさん:2012/07/01(日) 12:20:37 ID:kf3EOq2o0
- まさに青天の霹靂w
っていうか、またお前かwww
- 61 名前:名無しの落書きさん:2012/07/01(日) 12:20:38 ID:2eTfBVk.0
- ドヤガ夫・ビップ
- 62 名前:名無しの落書きさん:2012/07/01(日) 12:22:04 ID:/FUXIp.20
- こいつわwww
- 63 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 12:22:43 ID:???0
___
/ .u \
/((○)) ((○))\
/⌒)⌒)⌒).:::: (__人__) l_j :::\ /⌒)⌒)⌒)
| / / / |r┬-| | (⌒)/ / / // そそそそそんなわけないですおっ!
| :::::::::::(⌒) U .| | | / ゝ :::::::::::/
| ノ | | | \ / ) / 死んだかーちゃんは一言も――
ヽ / └ー.┘ ヽ / /
. /: : : : : i: !: : i: : : : : : ヽ: :ヽ: :ヽ: : ヽ
. /:./: : : : : :i: :i: : :'、: : : : : : ヽ: ヘ: : ヽ:.:.ハ
i:./: : : : /:./V:.i: : :ヽ: : : : : : :.ヘ: :i: : :.',: :.i、
. |:.!: :i: : :.i:.,' 、:'、ヽ: :\: : : : : : ',:.i: : : i: :.i:i
. i:.i: :.i: : :.i i.,斗セ≦ ヽ、.\≧ト之_!: : :.i: :リ.i
Vト: :'、: :.ト ,ィ=ュ ,ィ=ュ、i: : /:,.': :i
ト:\:ヽ:.!イfr';;:::| |r';;::::レ!:,イ、: :.:i
レ: ハ iへ 弋zソ , 弋zソイ: :レ:i: :i
/: : /:i: : ハ , , ハ: :i: : i:.:.i
/: : /: |: : : i ヽ イi: : : |:.:.i: :.i
/: : :/: :.| : : :.| : . > 、 イ: : :|:.:.:: :| : i: :.ヘ
. ,.': : : /: : :|:.: : : |:/:.i_| ` ´ |_\:|.:.:: : |: :i: : : '、
/: : : :,': : : :|:.: : : |:.:.:.:.i i:.:.:.|:.:.:: : |: i: : : : :'、
. ,': : : : :.i:.,ィ<!: : : :| :.:.:.i >‐‐‐‐< i:.:.:|: :.:.::リ:>、: : : :.ヽ
. {: : : : : ,' i:.:.i;;;Vi: : :.!:.:.:.i_, -‐‐‐‐-、_i:.:.:リ: :./リ;;;リ:.i V: : : ハ
V: : : :.i .i:.:.!;;;i.、ト、:ヘ:.:.i r,/7_‐--、.i:ノ:シ//;;/:.i .i: : :i: :i
V: : .i、 i:.:Vヘ:.:.:.:`'‐-ノ/ .i .iTヽ:.i:.:.:.:.:.:.:.:/;;/:.:i i: : :i/
やる夫の母 みくる(故人)
- 64 名前:名無しの落書きさん:2012/07/01(日) 12:24:00 ID:i/sMqkjI0
- 相変わらず遺伝子仕事してない・・・
- 65 名前:名無しの落書きさん:2012/07/01(日) 12:24:44 ID:xE9oIvEw0
- ウハッwビッチテラナイス!!!・・・・
ビッチじゃないだと!?
- 66 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 12:28:50 ID:???0
/ ̄\
.| | _
\_.人 \
./:::::::::::: . \
/:::::\:::::/::: . ヽ
|:::=・=::::: =・=:::: ij | うん、まあ…そうだろうな。
|:::::(__人__) /
\:::::::::::::::::::::: \ いくら領主、兄とはいえ男としてはクズとしか言い表せん。
/ ⌒ )::::::::::::::::::::: |
し: ̄::::::::::::::::::::(⌒ ) 嫁さんにばれるのが怖くてヤリ捨て…みくるさんとやらがどれほど恨んだか…
男の俺では想像が付かん。まずは兄に代わり、謝罪させてくれ。本当に済まなかった。
____
/::::::─三三─\
/:::::::: ( )三( )\
|::::::::::::::::::::(__人__):::: |
|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: |
|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: |
|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: |
|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: |
|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: |
|:::::::::::::::::::::: |ililililil|::::: |
\::::::::: |r┬-| ,/
ノ:::::::: `ー'´ \
- 68 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 12:33:00 ID:???0
___
/\ / \
キリッ! / 〓 〓 \
/⌒ヽ|⊃ (_,、_,) ⊂⊃ |/⌒i かーちゃん、これ釣ってきたお。晩飯にしてくれお!
\ ヘ / /
,. -. 、.._
,. :.':´: ̄:´: : : : : : `: : 、
/:.': ¨: :/: : :へ、: : : :ヽ: ヽヽ
,.'´:,: : : : /: i: : : : : :ヽ: : : :ヽ:ヽ:ヽ
,.': :/: : : : :i: :.i: : i: : : : :.ヽ: : : :ヽ:.'、:ヽ
/: :/: : : : :/|: : i: : :'、: : : : :ヽ: : : :.', ハ: ',
,': :.,': :./: :./ i:_: i: : : ヽ: : :_:,_:'、: : : i: :i:.:.i
|: : i: : i: : i,ィチ´: :.ヽ: : :.ヘ.、: : :`'ト、:.リ: i: :.|
i:i: :V: :i:,イi \.、ヽ: : ヽヽ: :ハ: :`: :.i: :.|
iハ: :.i:.:ヘ: i.,ィチ示ミ ` ` ゙f示ミx、/: :/: /i
ヽ:iヽ: ヽ ir';;;:::| ir';;;:::| i: /:/ |
|ヽ:|^\゙ 弋少 弋少 ,イiイ: :.| わあ、おっきいお魚ね!
|: : ヽi: ハ. ´ .ハ: :r': : :.|
i: : : :.|:.:.:i\ ` ´ /i: : :|: : :.: i ありがとうね、やる夫。
. ,': : :.:.:|: : :i: : :> 、 _ , .<: : i: :.:.:|: : : :.:、
/: : : : :|: : :.i: :/.|. |_\.i: : : |: : : : :.:、
/: :_,、--|: : : |:::::f´ |::::|: : : |‐--、: : .:、
, ': :/:::ヘ : |: : : |:::::|¨''‐., 、.‐''¨|::::|: : :i:|::/;;;;∧.: :.:、
, ': : / V;;ヘ |: : :.|:::::|.< >.|::::|: : ://;;;;;/ V: : ヽ
____
/::: \
/:::::::::: \
/:::::::::: \
|::::::::::::::: |
/⌒::::::::: ⌒ヽ/
/:::::::::::: \
/:::::::::::::: \ ヽ
- 70 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 12:36:38 ID:???0
____
/⌒ ⌒\
/ ● ● \
| ⊂⊃ (_,、_,) ⊂| 荷物運び手伝ったら反物くれたお。
ヽ (_.ノ ィ’
/.:.:.:.:ヽ´ `` ヽ、
/:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:\_
/.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:、:.:.:.:.:、.:.:.:.:.:\
/:.:.:...:::::::l:::::::::::::::::::ヘ:::::::ヘ:::::、:::ヘ`、
/::.:.:.:::::i:.:.∧::.、:、:::::.:.:.:.i:::::::::l:::::ヘ:::::}:ヘ
i.:.:l.:.:i.:::l:./_,.ゝ;:.iヘ:::、:::::.:ト、_:::|:::.:.:|.:...:ト::!
!.:.|.::l:.::,k'!"_ ゙ヘ、ヾト 、_!i_`!i、.:.:.!.:.l.:| '|
i.:.:l.:.、:.:|` イ ̄、 `'f ̄ヽ!:.:/::./:ィ
!.::ヘ.:ヽ!"|l゚、r'l l:;:_klト/:::/:::.:|
l.:.:.イl:、!、 ゙ー‐' ' ー-' 〆r ,::.:|
!.::.:.i:f..::ト ´ ̄ `. 7:|.:Y:.::i:! あらあら…じゃあやる夫の服を縫いましょう。
|.:.:.::!::|.:.:.\,.、. ! ,' _ /.:l.|:::::::::',
/:.:.:.::|.:.f i.:::: ,' ト、 . ` ´ _, ! !:::f`!.',:::.:.:.',
/:.:.:.::::l:.:.i !.::::,' ,'-|/)‐-f.、|'::! i::::! |.:.:',:::::.:.:',
/.:.:_,,_:_l.:.:| i::/ .,'r// ヽヽ;:! i:::| .!.:...',:_::::...'、
/.:.:.::::>、\,! " レ /_,r'jfヽ\ヽ! " |:.,r' ,:'ト:::::...\
/.:.:::::::∧:`l ゙"/-\`゙ ` /:/ `、:::::...\
i.:.::::::::/ i::| /ト'´``'入 l::l `、:::::::.:.:!
l.:.:.:::::/ 冫! /:::::|..:..:../::::ヽ i::| ト;:::::::.:.l
- 71 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 12:38:07 ID:???0
___
/― ―\
/ ● ● \
| ⊂⊃ (_,、_,) ⊂| かーちゃんの服を作れお。
ヽ ィ’
_, r─===-- 、_
_, ‐''´ 、 丶、 `丶、
, '´, , \ \ \
/ / / , / i ヽ. ヽ 丶
/ ,.イ / / | | Y ヽ ヘ ヽ
// / / /! l ! l i │i ',
′i イ i7⌒Y ト ヽ ─-、j | │| i
| / || ト ,r=ュ、j 、\ ハヽ/ / j │
|' ヾ. { f'みラ! ヽ \ 示ミュイ / / !
! \ハ じク iクルハj / / j
. ,r 、 | `i ` ´ ' 辷ン ノィ /.イヽ l まずはやる夫のからね。
/ / j 、 「` ¬ / ´ {リ , l
/⌒∨ ,′ ノ 丶 ヽ _ ノ / l / l いつも泥んこで帰ってくるんだから。
ハ`Y !. i _,. ィ ´ / 丶 _, -‐' 7 j / ',
/ { ヽ ヽ | _, -‐''´ / / _,厶イ / / ,' 、
ヽ_ト/〉 ` j‐' ¨´ / i , / ̄ , -┘ / /ヽi | ヽ
i / / _ !ハ! /| ,' 厶二 `\f // >、| ヽ
| lテ' ´ /ヽ' N 厶-、 \,イ イ´ /´ >、 ヘ
∧__/i / i // / ヽ/ l / / , -‐' ¬ 、 l
____
/::: \
/:::::::::: \
/:::::::::: \
|::::::::::::::: |
/⌒::::::::: ⌒ヽ/
;/:::::::::::: \;
;/:::::::::::::: \ ヽ;
- 73 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 12:40:55 ID:???0
/:.:.:.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
/:.:.:.: : : : : : : : : : : : : : : : : ,: :-- 、 : : ⌒>ゝ、
/ : : : : : : : : : : : : : : : : ,. '´.:.:.:. : : : : : : : : : : : : : ヽ
/: : : : : : : : : : : : : : : /: : , -:.:.: : : : : : : : : : : : : : : : : \
/:.: : : : : : : : : : : : : /: :./:.: : : : ,. -: : : : / : : : : : : : : : ヽ
/ : : : : : : : : : : : : : /: :./: : : : /: : : : : :.:/.:.:. : : : : : : : ヽ ∧
/:.:.:.: : : : : : : : : /゙.:/:./: : : : /.:.: : : : : : /.: : : : : : ヽ: :.:.:.∧.: :.:,
/:.:.:.: : : : : : : : : /: : | / .|: : : :/:.:. : : : : : : /: : :.:/.: : : : |: : |: :∧: : |
/.: : : : : : : /:.:.:/.: :.:.|/こ| : : /!: : : :.:/: :/|:.:.: /.: : : : : |: : |:.: : |: : |
/.: : : : : : : / /.: : : : /λ∧ :/ |:. : : / 廴_!: :/: : : : :.:./:.:.:.|: :. :|:.:.:i
/:.:.:. : : : : : /.: : : : : : ヽ /: :V: : !.: : /|/ i ̄了 : : ./: :.:.:.|: : /! /
/:.:.:: : : : : : /: : : : : : : : :.: ゙|.: : : : : V / ,ィセ示゙' i.: :.: /:.:.: :./| ./ .|/
/.:.:.: : : : : : /: : : : : : :.:.:./ ./|.:.:. : : : : i 炒゙ /.!:.:.://:.:/ i/
/: : : : : : ,. < : : : : : : : : /:.:/:..!.: : : : : : |. i !/// ' ゴホッ…ゴホッ…
/.: : : : : /: : : : _ ,, .- ― ''´ ヽ !.: : : : : : |. _ ,.-.'
/.: : : : : / : : ,.<≠=x、,,, |.:.:. : : : : |_ ,. ‐'.: : : |
. /.:.:.:. : : : /: : / ,. -‐-.、 ヾゝ、 |.:.:. : : : : | Τ| : : : : : |
/.: : : : : : /: : {,/ `''<, ヾ;ゝ, . !.: : : : : : | | .!.: : : : : |
____
/ ノ ヽ_\
/ ○ ○ \
| ⊂||(_,、_,)||⊂| かーちゃん…しっかりしてくれお。
ヽ (_.ノ ィ’
熊の肝と薬草探してくるから…しっかりしてくれお!
- 74 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 12:43:50 ID:???0
____
/ ノ ヽ_\
/ ○ ○ \
| ⊂||(_,、_,)||⊂| かーちゃん、死んじゃダメだお!
ヽ (_.ノ ィ’
やる夫を一人にしないくれお!
/: : : : : /: : : : : : : : : : :ヽ: : ` :、: : : : : : : :\: : : : : ヽ
,': : : : : /: : : : : : : : : i: : : :\: : : :.ヽ: : : : : : : ヽ: : : : : i
i: : : : : i: : : : : : : : : : iヽ: : : : :\: : : : :ヽ: : _,、,_: i: : : : :|
.|: : : : : i: : : : : : : : : : i ヽ: / ヽ ヽ : : `'´: : : : :.i: : : :.i
i: : : : : i: : : : : : : : : :/ / ` ‐ -:_ヽ: : i: : : :.i
V: : : : i: : : : : : ,、ィ:チ´ f云らト、: i: : : :リ
V: : :ヽi: : : : : : : : i/,ィチ示. ir';;;::::リ゙' i: : : /
V: : : ゝi: : : : /,ィfr';;;;::::| 弋z少つ i: : /
V: : i: : i: : :i:.:Vff.{:::;;;;::::i i: :iヽ
∧: : : r-i : : :.i.と弋:z少 ヽ .i: :.i: :\ ごめんね…やる夫……ごめんね……
/: :i: : : i i: : : :i }: : ト、: :ヽ
./: : : : :.:.:ヽi: : : :i、 , ` イ: : : i ヽ: :ハ
./: : : : : : : : :i: : : :i ヽ / i: : : :i i: :.i
./: : : : : : : : : : :i: : : :i.,、-> /:.:| i: : : :i |: /
./: : : : : :.,、‐ ' ¨ ̄i: : : :i `' ‐------‐チ .i,ィ:.:i. i: : : :i |/
―――ごめんね…やる夫……――
- 76 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 12:44:38 ID:???0
/.: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
/: : : \
/: : : : \
/: : : : : : \
/ : : : : : : : .. \
|: : : : : : ,,,,ノ⌒" '' ``⌒\,,, l
|: : : ::;; ( (・) ) ノヽ ( (・) );;::: |
|: : : : : ´"''" "''"´ l
. \ : : : : . .( j ) /
\: : :: : >ー-‐'=ー-ー< /
/ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : イ\
: : : : : : : : :``ー- -‐'"´ \
: : : : . : : . : : . \
- 79 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 12:49:15 ID:???0
,. -─────────‐- .、
// ̄ ̄\ / ̄ ̄\\
/ \
/ :::::::::::::::::::::::::::::::: \
/ / / ̄\\::::;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::// ̄\\ \
/ | |. ┃ .| | ::::;;;;;;;;;;;;;::::| |. ┃ .| | \
/ \ \_// :::::::::::::::::: \\_// \
/ ../ ̄ ̄\ / ::|:: \ / ̄ ̄\.. \
/ ::::: | | | ::::: ヽ
| | | | | やる夫に父などおらんお…
| \__/\__/ |
| エエエエエ | そいつはアカの他人だお。
| / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ |
ヽ :::::::::::: /
\ /
\  ̄ ̄ ̄ ̄ /
産まれて初めての憎悪と憤怒の対象は自分の父親だった。
そして記録に残る限り、生涯一度きりの怒りであった。
- 80 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 12:52:45 ID:???0
/ ̄\
| |
\_/
_|_
. /´ ̄  ̄`\
./ 、 , ヽ
/ ::::\:::::::::/::::: ヽ
./. < ● > :::::::: < ● > l
.| | 殺したいなら止めん。
..ヽ (__人_) /
ヽ、 .` ー ' / お前には正当な権利がある。だが、殺すなら急いだほうがいい。
/:::::::::|::\゙_>介 √!;:::::::\
. /:::::::::::::::\:::ヽ };;{ |::/::::::::::::::ヽ 兄貴は病で死に掛けだからな。
/:::::::::::::::::::::::ヽ::ヾ::}〃:::::::::::i:::::::i
'、 /
\ ./ /
\ 〈 / ,.ィ´
,.rァ'" `丶、 `ヽ、 ', l 〉 / _,.,'仁'’`丶、
,イ: : : : ,/ `'ーュ 、`ヽ、 ヘ i / _,.イ>'¨’ ヽ,: : : : : : i〉
l : : : : i' 仁i i !`丶,`'ーャ、 〉 / ,〈 ,. r 仁'’: :,i ' .ィャ i l : : : : : リ
. ,: : : : ム ! l リ l: : : ∨;:;,`´`丶,/ ヽ ヽイ `´;;:;:;:/: : : : i マリ ! リ: : : : : ノ
';;;;;丶 : : 人 .ノ: : : 丿 ;:;;:;;;:;;:;;:;:〈;:;:<;:;:;:;:;:>;:;:〉;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ム: : : : : ', ー ノ: : : /_
';;;;;;;;;`'ー-≧=-ィ -一'’;;;:;:;;;;;:;;;:;', ゙ヾ、,,, ,ィ;イ ,.ィ;:;:;:;:;:;:;`'ー=: : ゝ -‐ィ'_ ,.ィ',’.;';:;' ヾ、
';;;;;;;;;;;;;二三三;;;;:;;;;;;;;;;;;;; '"゙ ヘヾ、 // ´゙ヾ;:;:;:;:;:二三三ニ;:;:;:;:;:;:ノ ゞメ ……
ヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;;;; '/ ヽヾ;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:ィソ’ /'
/ i、 }
{ /ヽ /
ヽ、 / ヽ、 /
│ "ーーーー''" "'ーーー''"
ヽ、l 人 ( |l _」ニ二」,L.、ノ
- 81 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 12:55:04 ID:???0
/ : : : : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
/ __:_: : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
∧ /--、 `: : : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
/ ├=〉 : : : : : ::::::::::::::::::::::::::::/
./ \ |i ├‐/ : : : : : : :::::::::::::::/
/ \ il |-{ /
./ \ _,|i__ハ、 /
/ `ー┴‐=ヘ、_/ / ……
`ー一
| ヽ、
| (,,_,,人)
!、__,,,,,,__ __  ̄ ̄7 必要ないですお。
〉___ __ ̄ ̄〈 /
>三三三三》:.::.:.:..\ /´/
- 83 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 13:00:52 ID:???0
ィ彡三ミヽ
彡'⌒ヾミヽ
ヾ、 _____
_ `ー―、 / \
彡三ミミヽ ヽ ./ \
彡' ヾ、 _ / ___ヾ \
`ー ' `ヽ .|;;;;;l i::ij::::) i \
,ィ彡三ニミヽ __ _ |;;;;;ヽ`ー´ノ \ どんなに腹が立っても…
彡' ` ̄ ....ノ  ̄ |
_ __..(,,_,, .| 「他人」の、しかも自分の領主様に歯向かうようなことはしませんお。
,ィ彡'  ̄ .{_ノ´ /
ミ三彡' /..\ ,, -===ニニニニ====-、_/ ムラにも迷惑がかかりますから。
ィニニ=- ' ソ´:::;;;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\
,ィ彡' ___〉:/ |i \/___
// /| ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::: |`ヽ,
彡' / .| ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::: |:::::::|
ムラに迷惑がかかる…詭弁であった。本心を言えばここまで無責任な人間を手にかけ、自分の中の棘となる事すら
やる夫は許容しなかった。事実、自筆による回顧録および、その他の記録にもドヤガ夫の記述はこの場面のみ。
その他にドヤガ夫に関する記述は一切見つかっていない。
- 84 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 13:04:06 ID:???0
/ ̄\
| |
\_/
_|_
. /´ ̄  ̄`\
./ ヽ
/ ::::─:::::::::::::::─:::::::: ヽ
./ < ● > :::::::: < ● > .l そうか。
.| |
..ヽ (_人__) / (見限られたな…いや、それ以前の認識か……)
ヽ、 ` ⌒ ´ /
/:::i:\゙_>介 √:::/::::::::\
. /:::::::::ヽ:::ヽ };;{/::/:::::::::::::::::::ヽ
/:::::::::::::::::ヽ::ヾ/〃::::::::::::::::::i:::::::i
オプーナもそれ以上、兄の事を口にしなかった。
公人としてはともかく、私人として、兄弟としてのドヤガ夫を見限った瞬間だった。
- 85 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 13:07:30 ID:???0
_, -=========ー-、
/ \
/ ー--=、 \
/ /┬-ヾ `l
| ‖ i、:::::| |
| ヾー-ーナ |
| ヽ、 …御用はそれだけですかお?
| (,,_,,人)
!、__,,,,,,__ __  ̄ ̄7
〉___ __ ̄ ̄〈 /
>三三三三》:.::.:.:..\ /´/
/ ̄\
| |
\_/
|
/ ̄ ̄ ̄ \
/ ::\:::/::::\
/ <●>::::::<●> \
| (__人__) | いや、ここからが本題だ。
\ ` ⌒´ /
 ̄(⌒`:::: ⌒ヽ 実はな――
┌──────────────────────────────── ── ─
└────────────────────────── ── ─
┌──────────────────── ── ─
└──────────── ── ─
┌──────── ── ─
└── ── ─
- 86 名前:名無しの落書きさん:2012/07/01(日) 13:08:31 ID:i/sMqkjI0
- 愚兄より家を継ぐ若者の方が大事だよね。
- 87 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 13:16:59 ID:???0
|\ /|
| u\──< . |
レ ノ u ゝ_|
/ ● ● ',
|u | やる夫…いえ、やる夫様は領主様の御落胤…
ヽ、u uノ
> < はあ、そうでしたか…
晴天の霹靂とはいえ、内心「やはり」という思いがあった。
あの異常な力の全てが「貴族だった」の一言で説明が付くのだから。
|\ /|
| \──< . |
レ _ノ......ー- |
/ Θ:::::::::::Θ ',
|. u | ぶっちゃけ、やる夫を取られるのはきつい…
ヽ、 -==- ノ
> <
文字通りの千人力の金の卵を産む鶏。狩にせよ開墾にせよ、今後はこれまでどおりには行かない。
いや、それ以前に戻るだけだ…村長はそれで整理をつけた。
- 89 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 13:22:55 ID:???0
|\ /|
| \──< . |
レ ___ __|
/--[___]―[__]', しかし、ここは紛れもなくやる夫の故郷。
| nl`l_ |
ヽ、 ( ノ ノ おこぼれは十分に見込める筈…っ!
> > < <
整理をつけた後は村長としての計算のみ。ここで下手にごねるよりも気持ちよく送り出し、
その後に来る様々な便宜を得るのが得策なのは明白だからだ。
|\ /|
| \-―-< . |
レ ___ __|
/--[;;;;;;;;;]―[;;;;;;;;]',
| |
ヽ、 _/ }フ ノ ムラの衆一同、やる夫様の立身を御慶び申し上げます!
/⊂ \∩ノ ⊃
(〆 ⊂ / _ノ |
.\ “ /_ /
\ /__/
村長の計算は正しく報われるがしばらく後の話になる。
- 90 名前:名無しの落書きさん:2012/07/01(日) 13:24:09 ID:zLXzXnp.0
- 正しく村長してるな
- 91 名前:名無しの落書きさん:2012/07/01(日) 13:24:31 ID:lxzHBe6o0
- 村長は正しく村長であった。
- 92 名前:名無しの落書きさん:2012/07/01(日) 13:24:54 ID:vuQGq5Wc0
- 目先の欲に囚われずに先の利益を見据えた行動が取れる辺り、この村長も為政者としては結構優秀なんだなw
- 93 名前:名無しの落書きさん:2012/07/01(日) 13:25:33 ID:/TDUpMVc0
- 娘がいなかった村長だからこそ切り替えが早いのかな?
- 94 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 13:29:18 ID:???0
建前
|\ /|
| \──< . |
レ |
/ ● ● ',
| | やる夫様、いつでもムラにお立ち寄りください。
ヽ、 マフ ノ
> < お母様の墓は責任を持ってお守りいたします。
ここはあなた様の故郷なのですから、いつでも歓待させていただきます。
本音
|\ /|
| \──< . |
レ |
/ ● ● ', /⌒ヽ_ノ) ) ) 手土産に期待してるからな!
| | ,' ;'⌒'ー''´
ヽ、 \ーェェァt ノ | i| .|
> 、\_ `ヽ ノ ,'.! .i
\.、_>'´ ノ'´U
- 96 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 13:32:21 ID:???0
, -― ―- 、
/ \
/ \
/ ヽ
/ 、
/ ー―' |
/ rc、、 、 、 |
| ヽ\\ 丶 ヽ. |
| l//|.\ン |
| .! j /、─ /
_ . イ三三ニ=、 ノ/´゜ \\ / 母ちゃん…しばらくの間お別れだお。
∠三三三三三三ハ: /。゚ !ヽJ
/三三三三三三三ニ| \ノ/ ヽ__,ノ、__j し' でも必ず帰ってくるおっ!
. /三三三三三三三三ニ|\ゝ'、 ノ
. /三三三三、三三三三ニ| \/|`ー―― '
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三三三三三三',三三三=|´三ニ=、 `}三ニ、
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- 97 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 13:35:55 ID:???0
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オプーナはみくるの墓に深々と頭を下げ、背を向けた。
兄の振る舞いを省みれば、手を合わせる資格などない。
故に万感の意を込めて深く頭を下げ、来た道を戻った。
- 100 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 13:42:20 ID:???0
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オプーナとやる夫が村を出立したその日、遠い皇都フィアクシスのビップ邸宅にて、
陸奥守・ドヤガ夫・ビップが息を引き取った。享年五十三歳。正室が看取ったと記録に残る。
- 101 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 13:49:35 ID:???0
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j/ヽ:.|::::: |: : : :.:⊂⊃ `¨´ /: :.:|: : : :| 息を引き取る寸前…ギリギリセーフだったよ。
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| ヽ `ヽ∧ハ j::レヘ,ト、', ,》 _, |
正室・唯は夫が息を引き取る寸前に、やる夫を落胤と認め、嗣子とする旨の朱印状を発行させた。
現場には中務の役人が立会い、正式な朱印状としての認められた。
- 103 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 13:53:50 ID:???0
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|: : : : |: : : ; ィ大: : : :.| \: : : \: : : :\ : V: : /: : : :
|: : : : ',: : : :| \: :| ィえ抔ミxヽ: : : : :\|: i/ : : : :
| :|: : :∧===| \j {i::.::.: }}}ハ : : /: : : :| ヽ: : :
| :|: : : :∧: : | ィえミx {トxzイ} |: :/: : : : :| }: : :
{^ヽ | :|: : : : :∧: |{{ {::.::ハ {辷Zリ | : : : : : : j ノ: : ;
| i 八|\: : : : |Vハ Vトxi} l: : : : : : /l´: : /
| | ∨: : |: :.∧ ゞ''" , """" l: : : : : /: :! : /: : 晩節は確かに汚したけど、それまでは
| | V : |: :.:.:∧"" l: : : : /: : :l: :′:
| | ∨:|: :.:.:.:∧ 、 |: : : /:|: : :|: {: : : 公人としても私人としても文句無しの人だったんだから。
^Yヽ、| ! ∨: :.:.:.:.:八 ヽ) |: : /: :|: :∧:.:.: : :
{ \ | /: : :.:.:.:/.:.:.\ /ノ :/: ノ!/:.:∧:.:.: : 最後はちょっと残念だけど、だからって旦那様を全部否定したりしないよ。
|\ ヾ /: : : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.>:..._ / >────-- 、
_人__ ) ヽ /: : : : :.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.|:.:.:.:>ー-≦ /::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::. ちゃんと夫婦として積み重ねた時間があるもんね。
′ } /: : : : :.:.:.:.:.:.:.:.:.八:.:.:.|\:.:.:.:.:.:. rく/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.
{ | ,//へ:.:.:./}:.:.:/ >─‐ァ7ア〈:/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.
ヽ | ∨ ノ/ ..'´.::.::.:// /::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::
\ / /.:l.::.::.::.{ / /i|::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::
/.::.l.::.::.:人{ { ノ|::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.
- 104 名前:名無しの落書きさん:2012/07/01(日) 13:55:48 ID:k7ZPbdMw0
- フォロー乙www
- 105 名前:名無しの落書きさん:2012/07/01(日) 13:56:18 ID:xE9oIvEw0
- やることやってたならいいんじゃないかな・・・うん
清廉潔白な人間なんてそうそういないだろうし
- 106 名前:名無しの落書きさん:2012/07/01(日) 13:59:14 ID:lxzHBe6o0
- かっけえ嫁である。
- 107 名前:◆PxpsTgDRu.★:2012/07/01(日) 13:59:45 ID:???0
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| :/: : : : / しノ ////// しし'/: : : : :/ :/ヽ: : : : |
|/: : : : :.{ r-〜く /: : : : :/:./ ノ : : |: :| でも…息子になるやる夫くんが旦那様を恨むのはどーしよーもないんだよね…
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| : : ∧: : : \ {/ } /: : : : :/: /: :|: : : : ハノ …うぅ、ドヤガ夫くんのあほーっ!
\/ \: : : :>─r ァ t─ァ/: : : /: /: :/: :ノ/
\:_:_|.:.:.:/./厶ヾ" /|_/|_:/:.:ヽ/ 妾の一人くらいで文句言ったりしなかったのにー! ばかーっ!
/YYY.:.:.:.:./.:ィ7ト、V.: /YYヽ.:.:.:.:.:.}
/\ /.:.:.:.:く〃 // }}'.:.:.{ /∨.:.:./ 隠されるほうがショックおっきいんだからねっ!
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やる夫は唯夫人がドヤガ夫の法事を執り行う事に何の文句も言わず、黙々と当主として喪主を務めた。
しかし、個人的な感想は一切記録に残っていない。生涯において、やる夫はドヤガ夫をビップ家の前当主として扱い、
父親としては認めなかったと推測される。
つづかない
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